法人破産の流れについて

当事務所では、法人破産といった企業の問題について特設サイトをご用意し、定期的に情報発信をしております。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

会社の経営が立ち行かなくなったとき,手を尽くしてもどうにもならないとき,というのがあると思います。そんなときに弁護士としてお力添え出来るのは,会社の清算手続きです。

ひとくくりに清算といっても,様々な方法がありますが,今回はその中でも「法人破産の流れ」について,ご説明させていただきます。

まず破産手続きの簡単な流れは以下の図のようになります。

図を見ただけだとちょっとわかりづらいですね。では早速詳しい内容に入っていきましょう。

【目次】
●まずは弁護士へ相談してみましょう!【弁護士への相談・依頼~受任後の初動】
●破産手続きするのに在庫や店舗(事務所・営業所)はどうすればいいの?【財産の保全】
●破産申立って何をするの?【破産申立に必要な書類の準備~申立書の作成】
●準備完了,いよいよ申立です!【裁判所への申立/開始決定】
●破産の開始決定が出たら何をすればいいの?【破産管財人の業務】
●あと少しです!破産手続き終了まで【債権者集会~破産手続きの終了】
●最後に

●まずは弁護士へ相談してみましょう!

まずは不安なことを弁護士に相談してみましょう。その中で,事業の再建か清算かをきちんと見極めなければなりません。事業自体の価値はあるけれども債務が多すぎるという場合には,清算手続きではなく事業の再建を目指すべき場合もあります。弁護士が相談を受ける中で,今回は破産手続きが最も今の状況に適した対応だと判断しましたら,正式に委任契約を結んでいただければと思います。
そして,事業停止の日程や今後の対策を打ち合わせます。
ここで,本来,個人の債務整理の場合は「受任通知」を各債権者に発送し,取立を止めてもらうことになりますが,法人や会社の場合は個人と違い,直接の取立を禁止する法律の規定がないため,「受任通知」を送らないケースがあります。
どうしてかというと,法人や会社の破産手続きでは,弁護士が通知してしまうことで,手続きすることを知ったお借入先や取引先が,会社の資産や財産を回収しようとして,逆に手続きを混乱させてしまう可能性があるからです。
もちろん,法人や会社の状況によっては個人の手続き同様,受任通知を送り,督促を止める方法をとった方が得策な場合もあります。その点についても,ご相談時に弁護士が状況を見てご判断させていただきますので,ご安心ください。

●破産手続きするのに在庫や店舗(事務所・営業所)はどうすればいいの?

まず,破産手続きをするにあたって,財産を減らしたり・増やしたりしてはいけません(財産の保全)。そのため,在庫や小切手などの価値がつくもの,リース物件や賃借物件,事務所や営業所・倉庫などはご自身の判断で処分・解約等したりせず,現状でどのくらいの価値になるかを確認しつつ,保存してください。必要に応じ,弁護士において解約・売却等します。
その際に従業員がいらっしゃる会社なら,従業員の解雇や未払いになってしまっている給与,退職金などの手続きをします。

●破産申立って何をするの?

一言で「破産申立」と言ったって何をするか全くわからないですよね。
ここで,一通り財産の保全や従業員対応が完了したら,次にやっていただくのは申立ての準備です。
まずは手始めに破産申立に必要な書類を集めていただくことになります。
どんなものを揃えるかは,通帳や住民票といった公文書の他,法人・会社の資産状況に応じてご準備いただくことになります。たくさん用意しないといけない書類もあるため,苦戦される方も多いですが,わからないものがあれば,何度でもご質問ください。
そして,必要書類が揃ったら,今度はその書類を参考に当事務所にて「申立書」を作成いたします。「勝手に作っちゃって内容とか大丈夫なの?」と不安になるかもしれないですが,それもご安心ください。あらかた申立書の内容が完成したところで,見本をお送りし,ご一緒に内容について,確認をしていきます。
その中で新たに発覚したことなどがあれば,追加で書類をご提出いただいたり,お調べいただいたりすることはあると思いますが,一緒に相談しながら進めていきましょう。

●準備完了,いよいよ申立です!

ここまでで一緒に作り上げた申立書を弁護士が管轄の地方裁判所へ提出し,申立てを行います。管轄の地方裁判所とは,基本的に法人や会社の本社(本店)がある場所を管轄している裁判所になります。
申立を行った内容が破産手続きを開始できる要件を満たしていると判断された場合,破産手続きの「開始決定」が下されます。

●破産の開始決定が出たら何をすればいいの?

開始決定が出た後,破産手続きを裁判所に代わって破産管財人という人が進めていきます。破産管財人とは裁判所が選任する弁護士のことです。法人や会社の財産を調査・管理し,債権者(お借入先やお取引先)に分配できるものがあれば換金するという役割を担っています。
その管財人と,会社の代表者,そして代理人の弁護士で打ち合わせを行います。これは基本的に管財人になった弁護士の先生の事務所で行います。代表者の方には予定を調整して外出していただくこととなりますが,当日は弁護士が同行しますので,ご安心ください。
そしてこの打ち合わせの時に,管財人から申立書の内容を見て質問や書類の追加提出をお願いされることがあります。期限を決めて提出してほしいと言われるので皆様のご協力が欠かせません。
その他,管財人は破産管財人名義で口座を開設します。ここに手続きを進めるにあたって必要となる費用や管財人への報酬,官報公告費など最低限のお金(予納金)を納めることになります。
この予納金は基本的に皆様から代理人がお預かりし,管財人へ引継ぎを行うため,「引継ぎ予納金」と呼んだりします。
予納金は申立てを行う管轄の裁判所や,法人・会社の財産状況によって変わることもあるため,ご相談時にある程度の目安をお話しすることになると思います。
管財人は次に,資産や負債の調査,換価(お金に換える)の手続きを行います。その時に法人の代表者が不正行為をしていないかについても調査や面談を行います。併せて郵便物については管財人の所へ一度転送され,その後お手元に届くようになります。
そのようにして,法人内で勝手に財産を処分したりしてしまうことを防ぐ役割もしているのです。

●あと少しです!債権者集会から破産手続き終了まで

ここまでで,破産管財人が色々と仕事をしてくれていますが,今までの調査や換価の報告を月に1回管財人から行うタイミングがあります。これは「債権者集会」といって,債権者(お借入先や取引先)だけではなく,法人・会社の代表者様にも出席してもらい,一緒に報告を受けてもらうことになります。そこで,配当(債権者に分配)すべき財産がなければ破産手続きが終了します。

もし,この時点で配当すべき財産がある場合は,後日債権者に配当が行われます。配当をする際,どこかに出向いていただく必要はありません。配当が完了し,管財人が裁判所へその旨を報告して,破産手続きが終了します。

ちなみに,ここで管財人の業務が全部終わらなかった場合などは債権者集会をまた行う必要が出てくるため,1回では終わらず,数回出席していただく可能性があります。

以上の手続きを踏んで,最後に裁判所の職権により破産手続きの廃止(終了)登記が行われ,法人登記が閉鎖されます。

●最後に

会社を経営するということは本当に気力がいるものだと思います。自分が何とかしなければという肩の荷を,少しでも軽くしてあげられるのが弁護士の仕事だと心から思っております。
困っている皆様に寄り添い,解決に導く,そんなお手伝いを一緒にさせてください。
上原総合法律事務所は,会計事務所を併設していますので,必要に応じ,税理士とともにワンストップサービスを提供できます。